カ     ビ


カビの胞子は空気中に漂っていて生育条件さえ整えばすぐに発生します。第一に必要なのが水分で湿度80%以上で繁殖します。温度は10℃から活動を始め適温は20〜30℃です。
こういった条件に合致する場所として換気の悪い床下、浴室・台所などの水廻り、そして押入れなどが挙げられます。

床下の換気が不十分だと下地材を通って水分が床材に入り変色や寸法変化を起こします。
下地や床材の基材に合板が使われている場合は剥離することもあり(合板の耐水性は木材の中では下の部類です)、地域・立地・土質等に適した防湿対策が肝要です。

浴室は換気と清掃をこまめにしてください。
木質の壁・天井は3ヶ月に1回程度ワックスかオイルフィニッシュを塗ると耐水性が増します。オスモカラーには人に無害で防カビ性能を持つものもあります。また、やや高価ですが業務用の大浴場でも使える3年間防菌防カビ保証(無害)の木製壁面材も出てきました。

また、現代の室内にはそれらを上回りしかも除去しにくいカビの発生源があります。
ひとつはエアコンの室内機です。
冷房にすると空気は冷媒が通る管の周りについた薄い羽根(フィン)の隙間を通ることで冷却されて吹き出されます。
このとき空気は含んでいた湿気を結露としてフィンに残します。結露はしたたり落ちてドレーンから室外に排出されますが、冷房運転を止めた時点でフィンは結露を残したまま常温に戻ります。
この状態がカビの生育に適しているのです。使いだしてから数年経ったエアコンのフィルターや送風部分とフィンにはほぼ100%カビが付着していて、胞子を空気と共に吹き出します。フィンの表面積は一般には畳換算で3〜5畳といいますから、最悪の場合、天井の3分の1以上がカビだらけの部屋で暮らすのと同じことになります。

これは除湿器にもいえることです。高気密・高断熱の部屋でエアコンや除湿器から、カビの胞子が吹き出てくるのは想像するだけでも気が滅入ります。
空気清浄機付きのエアコンもありますが、浄化した空気をカビで汚染して吹き出してそれをまた浄化しているわけでマッチポンプの見本といえそうです。

対策としては冷房を止めるときに20〜30分間送風のみにしてフィンの結露をとばします。送風にしたとたんに高湿度の蒸し暑い風が出てくるので外出時にタイマーでセットするのが賢明かもしれません。

もうひとつは結露です。
結露は家屋の断熱が不十分な場合、外気によって冷やされた壁面や窓に室内の暖くて湿気をたっぷり含んだ空気が触れることにより生じます。
すきま風だらけの昔の家では、家の外と内の温度差が小さく、結露はあまり問題にはなりませんでした。現代は家屋の気密性が高まり、暖房が普及しているため結露がおきやすい環境になっています。
また室内の温度や水蒸気が内壁を抜けて外壁と内壁の間の空気を暖めることもあり、この空気が低温の外壁や水分を吸って冷たくなった断熱材に触れると、そこで壁体内結露を起こします。
日本の断熱工法は、外壁の外側に断熱材を貼る外断熱工法ではなく、外壁と内壁の間に断熱材を入れる内断熱工法がほとんどです。
このため、断熱材の施工がいい加減だと、壁体内結露を起こしやすい構造になっています。

結露が生じるとカビや腐朽菌が発生し、腐れ、変色が起こり、最終的には結露部分が腐ってぼろぼろになります。
室内の美観を損ねカビ臭い家になるばかりか、壁体内結露は発見が遅れがちなこともあり、構造部分を腐らせて家屋の寿命を縮めることさえあります。
壁体内結露は構造的欠陥によることが多く、後からの修理は大仕事になります。
転ばぬ先の杖、まずは信頼できる設計士や工務店・ハウスメーカーに仕事を頼みましょう。建て売りの場合は独立した専門家に有償でチェックを依頼するのも一法です。