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| 木は立木として生きている間は水分を豊富に蓄えていて、その量は乾燥重量の5割から2倍にも達します。ところが屋内で使っている建築材の水分量(含水率)は12〜15%前後しかありません。つまり、50〜200%の水分を12〜15%にまで落とすという乾燥の工程が必要になります。 乾燥して初めて、木は人の生活の中に加わり、第二の生ともいうべき数十年から数百年の寿命を与えられるのです。 乾燥にはいろいろな方法がありますが、最も材質が良く、歩留まりの高いのが天然乾燥です。丸太を板材に製材してから、隙間を空けて積み上げて風を通し、ゆっくり乾燥させます。 天然乾燥の長所は、乾燥する過程が少しずつ進むために材の表面と中心部分の収縮の差が少なく、ひび割れやそりが出にくい点です。短所は、時間がかかる上に場所を長期間にわたり占めてしまうことです。回転が悪いので、資金面、設備面の両方に余裕がないとできない、贅沢な乾燥方法と言えます。 これに対して人工乾燥は木材に熱をかけることで乾燥させる方法で、蒸気、高周波、時には煙、圧力などを組み合わせて行います。長所は乾燥時間の短縮です。天然乾燥では数ヶ月かかっていたのが、人工乾燥なら数日で済んでしまいます。 短所は収縮やひび割れが出やすいことです。さらに、急速に乾燥させるため乾燥の度合いにバラツキが生じます。これは木材の個体差と乾燥庫内の温湿度の分布の不均等が原因です。 バラツキを解消するためには、含水率をいったん7〜10%程度に落としてから、外気にさらして12〜15%に戻す工程(調湿)が必要になります。湿度の低い地域で乾燥、調湿すると、時には12%に戻らないという事態が生じます。調湿が不十分だと過乾燥のまま製品化されて、施工後に周囲の湿気を吸湿して材がふくらむなどのトラブルが生じます。 日本は北海道以外は高温多湿なので、海外の湿度の低い地域で乾燥・加工された製品には注意が必要です。無塗装の製品の場合は、輸入されてから実際に使われるまでの間に動きが出るものが多く、施工時にロスが大きく出ていました。塗装品は塗膜が吸湿を押さえるため、施工時までには欠点が露見しづらく、施工後にふくらんだりする問題が起きがちです。 つまり、日本の気候風土に適した製品かどうかは、原材料の木材がどの国で育ったかではなく、どのような環境下で乾燥、加工されたかによるところが大きいのです。 一番良いのは、「おらが山」で取れた木材を裏庭で天然乾燥させ、加工してから現場に置いて1ヶ月ほど馴染ませて施工することです。現代社会ではそうもいきませんが、できるだけ日本国内で乾燥、加工された製品を使うことをお勧めします。 日本で使われている国産品以外の無垢のフローリングは、10年くらい前までは北米や北欧で現地向けに作られた製品が無塗装で輸入されることが多かったのですが、最近は中国で日本向けに作られた塗装品が大量に入荷されています。 中国での生産拠点である大連は北米や北欧と同様に湿度が低く、日本の気候に対応した調湿は難しいのが現状です。 当社では、品質に自信の持てない中国産の塗装済み製品は取り扱っていません。外国産の木材でも、日本国内で製材した上で乾燥、加工することを原則としています。 |