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木の化学物質
木の細胞の中には抽出成分と呼ばれる低分子物質が含まれています。
これは細胞壁の基本構造を構成するものではなく、水や有機溶剤によって抽出できる成分です。木材の色調・香り・耐朽性・耐蟻性などとも密接に関連していて、心材部に多く集まっています。木の個性が表れる物質といえるでしょう。

この中で揮発性の高い成分(モノテルペン・低分子フェノールなど)はフィトンチッドとも呼ばれ、空気中に放散されて香りになります。つまり新築の木造住宅の木香や森林浴のさわやかさの正体がこういった天然由来の化学物質群なのです。

人類は種として発生して以来ずっと木と共存してきたので、木が人の身体にとって安全であることは自明のこととしてきました。ところが、機械で計測すると合成化学物質と一緒に数値のみが出てしまうため、化学物質を規制しようという立場からは、木材まで内装材に使えない可能性すら出てきてしまいました。天然由来と合成された化学物質の違いはきわめて微妙なので、みな思案投げ首の状態になっています。

ただ一つ言えることは数値がどうあれ、木が人間に有害なレベルで放散している化学物質はきわめて少ないということです。私たちの生活の中で使われている化学物質は揮発性のあるものだけでも一説によると千種類を越えると言われています。木を使うことで、合成された化学物質を含む建材の使用量を減らせれば、結果としてより安全な住まいになるのは確かでしょう。

ところで、木が安全というのは一般論としては確かに正しいと思いますが、化学物質過敏症になってしまった人は注意が必要です。特定の化学物質に過敏になった人はそれに類似した他の化学物質に対しても過敏になっていくことがあり、天然物質でも受け入れられないケースがあるのです。
不安なときは現物のサンプルを取り寄せてご自分で確認することをお勧めします。
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